建設業界で活躍を見せる外骨格型アシストスーツ

建設現場は人間の身体を最も酷使して作業を行う仕事の一つです。蓄積する長年の身体に対するリスクや負荷を軽減するアシストスーツが注目を集めています。設計・建設業界のイノベーションを推進する注目すべき人々、関連するプロセス、進化するテクノロジーのストーリーを伝えているStrXur社の記事にて、外骨格型アシストスーツを開発・製造しているSuitXのアシストスーツで、その解決を図ろうとしている企業を紹介しています。以下StrXurの記事を日本語翻訳しました。

元記事はこちら→https://www.strxur.com/wearable-tech-exoskeletons/

Coming to a Jobsite Near You: Exoskeletons
あなたの仕事場のすぐそばまで外骨格型アシストスーツがやって来ている

建設というものは、主に人間が物理的な物体を構築した結果であり、言い換えれば、物体を組み立てることです。

しかし、物体には質量があります。質量を動かすにはエネルギーが必要です。そして、エネルギーを使うためには作業が必要です。その作業は、人間だけでは建設のすべての作業をこなすことができないほど大変なものです。そのため、人間は、レバー、バネ、歯車、電気、空気圧、油圧、燃焼エンジンなどを使って、このような作業を軽減し、最小化するための工夫をしてきました。

これらの技術に共通しているのは、人間の力をほぼ完全に使わせないようにするということです。しかし、まだ人間による作業が必要な小規模で反復的な建設作業はどうでしょうか?

そこで、人間の作業員がより微力で作業をを行えるように設計された機械、外骨格型アシストスーツ(以下エクソスケルトン)が登場します。2020年のエクソスケルトンは、未来的なイメージを想像させますが、人間の力を増強するというよりも、労働者の身体を少し楽にして、建設業の生産性の妨げとなる怪我や疲労、その他の病気を予防することを目的としています。

エクソスケルトンの競争市場には、サイバネティック・スキンを採用した企業が多数存在しています。US Bionics Inc.、Bionik Laboratories、Ekso Bionics、REX Bionicsなどです。さらに、ホンダ、ヒュンダイ、トヨタなど複数の自動車メーカーも市場に参入しており、工場で働く従業員のために独自のエクソスケルトンを作っています。

エクソスケルトンは、電池や他の燃料を使用して動力を得ることもできますが、バネやその他の機械的な利点のみを利用して電源なしで動力を得ることもできます。エクソスケルトンは、労働者が重いものを持ち上げたり、長時間しゃがんだり、天井を塗ったり照明器具を設置したりするような作業のために、頭の上に手を上げたままにしておくことができます。

Barton Malow社

ゼネラルコントラクターのBarton Malow社は最近、US Bionics Inc.製のSuitXラインからいくつかのエクソスケルトンを購入しました。SuitXシステムはモジュール式で、リフティング(BackX)、スクワット(LegX)、オーバーヘッドワーク(ShoulderX)のための異なるデザインがあります。

SuitXによると、その製品設計の核心は、スーツを快適に着用できるようにし、エクソスケルトンを必要としない通常の作業を行う労働者の妨げにならないようにすることだと言います。例えば、階段を歩いたり、はしごを登ったり、車を運転したりするのに不快感を与えてしまうようなシステムであれば、決して普及することはないでしょう。

Barton Malow社の上級VDCエンジニアであるステファニー・シュレイダー氏は、これまでのところこのスーツに感銘を受けていると言います。”数時間着用してみて、長時間頭上に手を上げたまま作業をしなければならなかったり、スクワットのような作業をしなければならなかったりした場合、このスーツを着用したいと思います。彼らは宣伝している通りの期待に答えています。”とシュレイダー氏は言います。

しかし、シュレイダー氏は一方で、この技術の適応は労働者の間で抵抗を受けているとも述べています。エクソスケルトンは新しく、やや奇妙な外観をしており、それを身に着けることは、身体へのサポートの必要性を暗示していることになります。これまでのキャリアの中で、機械の助けを何も借りずに作業してきた労働者にとっては、このスーツは怠惰という印象を与えるかもしれないのです。

Vanderbilt大学の生物医学エンジニアであるカール・ゼリック氏は、多くの人がスーツに頼ることで長期的には労働者が弱くなるのではないかと彼に尋ねてくると言います。しかし、ゼリック氏によると、この研究は実際にはその逆を指し示していると述べます。機械的な支援を提供することで、エクソスケルトンは実際には身体の使い過ぎや過度のトレーニングによる怪我を防ぐことができ、労働者は弱くなることなく、時には体力が向上することさえあるのです。

外骨格型アシストスーツの一つを披露しているBarton Malow社。
(Credit: StrXur)
外骨格型アシストスーツの一つを披露しているBarton Malow社。同社では、怪我や疲労を防ぐために、労働者が継続的に反復的な動作を行うのを支援するために外骨格スーツを使用。
(Credit: StrXur)

リハビリテーションへの活用

実際、エクソスケルトンが広く採用されているもう一つの分野は、リハビリテーション病院です。怪我から回復した患者、特に脳卒中の患者には、機械的な補助が筋肉の再生を助け、歩行を再学習させるのに役立ちます。

Barton Malow社では、エクソスケルトンを導入する新しい分野を探し続けていますが、シュレイダー氏は、エクソスケルトンの価値を人々に納得してもらうための最善の方法は、実際に試してもらうことだと考えています。

“私はただ、取引業者が彼らの心を開いてくれることを願っています。ぜひ試してみてください”とシュレイダー氏は言います。確かに、仕事を楽にする道具を使っているからといって、誰も見下されるべきではありません。例えば、スコップの代わりにバックホーを使っているからといって、あざ笑われるようなことはありません。

エクソスケルトンは怪我や疲労を軽減し、労働者がより長く、より健康的なキャリアを楽しめるようにすると同時に、仕事を少しだけやりやすくすることができるのです。