AMR(自律走行ロボット)今後のトレンド!これから約10年で10倍以上に成長の見込み

パンデミックの環境下で Eコマース の発達により、より急速に拡大している AMR(自律走行ロボット)。Reportlinker.com が発表したレポート「自律走行ロボット市場:タイプ別、用途別、エンドユーザー別 – グローバルな機会分析と産業予測2022-2030」には、AMRの市場が2021年に16億1000万米ドルで、2022年から2030年にかけて34.3%のCAGRで2030年までに221億5000万米ドルに達すると予測されています。

そんな AMR(自律走行ロボット) は、どんな現場でどのように導入されていくのでしょうか。最新のアプリケーショントレンドを見ていきたいと思います。

AMR(自律走行ロボット)は、製造・流通施設内で人手を介さずに品物を選び、運搬し、仕分けするために使用されます。これは自動誘導車(AGV)の一種で、ワイヤーや床に埋め込まれた磁石、正確に配置されたレーザーターゲットなどの、サポートインフラなしで実装することが可能です。

AMRは、高度なセンサーと人工知能を使用して経路を識別、判断し、周囲の環境を独自にナビゲートすることができます。AMRは、倉庫や製造施設において、製品の損傷を防ぎ、生産性を向上させ、結果として人件費を削減することができます。

最新の市場動向

自律走行ロボットの需要は、世界的なオンラインショッピングの活発化により増加しています。また、倉庫の自動化の進展や、様々な環境下で自律的に動くことができるようになり、多くの産業でこれらのロボットの採用が進んでいることも、市場の成長を促進する要因の1つであると考えられています。

さらに、自動マテリアルハンドリングの採用が増加していることや、作業環境に人を極力採用しないトレンドも、予測期間中の市場成長を後押しする要因として期待されています。

しかし、重量制限やシステムの導入にかかる高い初期費用が一般的には懸念されています。

すでに、薬や医療機器を病室に届けるために、病院でのモバイルロボットの使用が増加していることから、将来的に自律型モバイルロボット市場が多くの産業に適応され成長されることが見込まれるでしょう。

市場のセグメント分け

自律走行ロボット市場は、タイプ、アプリケーション、エンドユーザー、地域に基づいてセグメント分けされることが多いです。

タイプの観点から言うと、市場は、対人ピッキングロボット、自動運転フォークリフト、自律型在庫ロボット、無人航空機、これらの分野に分類されます。

アプリケーションに基づき考えると、仕分け、ピック&プレース、タグ打ち、倉庫フリート管理、およびその他のアプリケーションに分けることができます。

エンドユーザー別に見ると、自動車、エレクトロニクス、FMCG(日用消費財など)、ロジスティック、ライフサイエンス、ヘルスケア、教育、その他の分野に分類されます。

地域別では、北米、欧州、アジア太平洋、その他各地域に分類しています。

以上のような観点から、AMRの市場は分類分けすることができます。AMRを導入検討している方は、自身がどの分類に入るのか十分に考えるべきです。

地域別の市場分析

ヨーロッパ地域は、自律型モバイルロボット市場がとても大きく、製造業からのマテリアルハンドリング機器の需要増加により、今後も市場を支配し続けると予想されます。また、小規模工場の設立を促進するための政府機関による、大規模な投資が行われている地域があるためこれからも成長していくでしょう。

しかし、北米では安全保障上の脅威の増加やテロ活動の活発化により、自律走行ロボット市場の着実な拡大が見込まれています。また、人件費の上昇や技術の進歩にともない、この地域の市場成長を後押ししています。

また、中東・アフリカ地域は、インフラ整備が徐々に進んでいることから、緩やかな成長が見込まれています。

競合の分析

市場は、Peer Robotics、Fetch Robotics Inc、GreyOrange Robotics…などの様々な有名な会社で構成されています。

これらのメーカーは、製品を何度も改善し、より世界的な勢力を拡大するために、研究開発、製品&技術革新、産業コラボレーションを積極的に行っています。

例えば、2021年2月、Verizonは、ソフトウェアプラットフォーム会社であるincubed ITを買収する決断をし、多額のお金を投資をしていることが見て取れます。この買収戦略により、Verizonは自律走行ロボット業界においてより良い地位を獲得することができる。

また、2021年7月、ABBはASTI Mobile Robotics Groupを買収したことを発表した。この買収は、ABBのロボティクスとオートメーションの提供範囲を拡大し、次世代のオートメーションのため柔軟に対応できる企業になることを示しているでしょう。

まとめ

以上の分析や調査から、AMRは既に、またこれから業界を問わず採用されていくことがわかります。

特に日本においては、労働人口の減少や労働環境を改善しなければならないなど多くの問題が懸念されているため、これからも多くの企業が採用していくことになるでしょう。

初期投資の値段だけで見るのではなく、AMRを採用することで得られる価値と値段を長期的に比べることが大切になるでしょう。

イノベーション・マトリックスのAMR(自律走行ロボット)