倉庫ピッキングの自動化 – ロボットの数は少数が効率的な場合も-

イノベーション・マトリックスのパートナー企業であり、AIソフトウェアを持ち合わせた自律走行ロボットを提供している inVia Robotics が掲載している記事をご紹介します。注文数の多いEコマースにロボットの導入が効率的なのは誰でも分かることですが、それは規模が小さめの倉庫でも同じ効率を得られるのでしょうか?inVia Robotics は少ない注文数でも現場を最適に効率化できるノウハウを持っています。以下、記事を日本語訳しました。

元の記事 → https://www.inviarobotics.com/blog/automated-picking-when-less-more/

Amazonがフルフィルメントセンターのロボット化や自動化に投資していることは、Amazonの圧倒的に多い注文数を処理しなければいけないことを考えると、不思議ではありません。しかし、もしあなたがもっと少ない量の注文を処理しているEコマース事業者だったらどうでしょう?Amazonのような、巨大オンライン小売企業が採用しているのと同じタイプのテクノロジーが、あなたのビジネスにも役立つでしょうか?

その答えは「イエス」です。お客様の規模と処理能力に合わせてカスタマイズされたロボットシステムがあれば、その恩恵を充分に受けることができます。

ロボットの利点

倉庫に自動化を導入することは、費用や時間のかかる作業ではありません。inVia Roboticsで最も重要にしていることの一つは、ワークフローやオペレーションデータを含む現在の倉庫環境の評価を行い、ビジネスに適した自動化デザインを作成することです。これにより、適切な数のピッキングロボットを導入することができます。

私たちが開発したソリューションの1つは、注文量が少ない倉庫では、比較的少数のロボットを使用し、長時間稼働させるというものです。具体的にいうと、次のことを実践します。

  • 顧客からの注文は24時間365日入ってきますが、倉庫のスタッフは日中に業務をする
  • ピッキングロボットはオフタイムに出勤し、商品の入ったトートを集めて、壁のようにして棚に並べる
  • スタッフが到着すると、その日の注文に必要な商品がすべて棚に用意されている
  • スタッフが注文品を組み立てるために必要なアイテムを素早く選び、ロボットがトートを倉庫内の適切な場所に戻す

このソリューションは、現代のコンピュータ時代の最も重要な開発の1つである、CPUのキャッシュをモデルにしています。キャッシュとは、CPU(中央演算処理装置)のコアの近くに設置されたメモリーブロックのことで、アクセスに時間がかかるメインメモリーから、アクセス頻度の高いデータのコピーを保存します。ロボットを使って注文品を梱包する人の近くに移動させることで時間とエネルギーを節約するのと同じように、データをCPUの近くに移動させることで時間とエネルギーを節約することができます。

なぜそれが重要なのか?

ロボットを増やせば増やすほど、倉庫の効率が上がると思いがちですが、必ずしもそうではありません。100台のフルフィルメントロボットが数千件の注文に応じて商品を取り出す場合、ロボットは1日の大半を待機列を作り、スタッフの作業が追いつくのを待っていることになります。”キャッシング” 戦略を使えば、一握りのロボットを長時間稼働させ、夜間や早朝にその日の注文の準備をすることができます。そして、ロボットにお金を払うのではなく、生産性にお金を払うのです。ロボットの数が少ない方が良い場合もあるのです。

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