【比較表付き】アシストスーツは何タイプ?代表的な3種類を徹底比較
アシストスーツとは、体の特定の部位にかかる負担を軽減するものです。
この負担を軽減する特徴から、「農業」「物流」「製造」「介護」これらの分野でよく利用されています。
特に、腰への負担を減らす製品がどの業界でも注目されていますが、上を向いて作業をする際の肩の負担を減らすタイプや、中腰での連続作業の負担を減らす脚に注目した製品もあります。
今回は部位に注目せず、性能面からアシストスーツを徹底解剖していきます。
この記事を読めば、アシストスーツの種類を理解し、自分に合った製品選びができるようになります。
アシストスーツのもたらす効果とは
アシストスーツは身体に装着する作業着のようなもので、身体動作の支援や負担の軽減を行います。
近年問題となっている、人手不足や人口の高齢化などを解消する一つの方法となり得るので、多くの業界から注目されています。特に建設や製造、農業業界などでアシストスーツの浸透が始まってきています。
実際にどのようなメリットがあるのか、3つのポイントに絞って確認していきましょう。
身体的負担の軽減
1つ目は身体にかかる負担の軽減です。
先ほど紹介した多くの業界では、腰に大きな負担がかかる作業が繰り返し行われることが問題となっています。特に近年では、新規労災認定されている腰痛は毎年3千件程度。
さらにこの中で、療養に1年以上かかる人が500人以上確認されている状況です。
もし自社の社員から労災の申請がされると、様々な書類の提出義務や、労災保険が降りる前までの期間の賃金の補償をしなければなりません。これは企業にとっては大きな損失となりかねません。
金銭面だけでなく、特殊技術を持った人材を労災期間中失うことは企業にとっても大きな損失となるでしょう。
このような損失を避けるために、アシストスーツを用いて事前に腰やそれ以外の身体の負担を取り除いておくことはとても大切でしょう。
作業効率の向上
2つ目は作業の効率が上がり、仕事時間の短縮や従業員のメンタル面向上につながります。
製造現場や物流現場、農業をされている方にとって身体への負担が大きく、その負担を気遣いながら仕事をすることは、ストレスになり作業効率を下げてしまう要因になりかねません。
これらの不安をあらかじめ減らしてくれる、アシストスーツ導入を検討しない理由がありません。
会社イメージの向上
体力を必要とする業界の、イメージ向上や評判の向上に一躍買ってくれることは間違いありません。なぜなら、体力を必要とし、身体的に負担を蓄積させるかもしれないというイメージから、入社をためらう人も少なくないからです。
もし自社で採用に困っているのであれば、アシストスーツの利用を社外に告知することで、結果的に採用難を解消することができるかもしれません。
製品タイプは大きく分けて3種類
アシストスーツは大きく分けて「サポータータイプ」「外骨格スーツ(動力なし)」「外骨格スーツ(動力あり)」の3つに分けられます。
もちろんそれぞれに対して、部位別の製品に分けることができますが、今回はこのような外見やサポートの方法によって分類しています。
サポータータイプ
サポータータイプの一番の特徴は、「比較的安価」に製品を手にとれることです。さらには、手に取った後使い方習得するまでに、時間がかからないというところも大きい特徴です。
こちらのサポータータイプの製品を使う場面としては、使用しながら移動をしたり、自由度の高い複雑な動きを必要とする時でしょう。具体的に使用されている場面としては、「持ち上げる→移動をする→降ろす」という一連の作業や「車の運転を伴う運搬」などが挙げられます。
このような特性から、個人農家さんから大きな人気を集めています。
デメリットとしては、実際に力を発揮して重い荷物を持てるようにアシストするわけではなく、腰への負担を少し和らげるためにしか使えないという点が挙げられます。アシスト力を期待して買いたいという方にはお勧めができません。
金銭的なメリットだけでなく、「服の下に着れるほどコンパクトで一日中着用できること」が選ぶポイントとなるでしょう。
外骨格アシストスーツ(動力なし)
こちらのタイプの一番の特徴は、「サポート能力が優れており、その上駆動時間を気にしなくて良いこと」です。バネや空気圧を活かしたり、特殊なバネを用いたりすることで、人工的に筋肉のような作用を作り出しパワーを発揮します。
こちらの外骨格アシストスーツ(動力なし)が使用される場面としては、長時間の反復作業や同姿勢を伴う作業、また大きな移動を伴わない比較的重いものを扱う場面でしょう。
もう少し具体的にいうと、「物流現場での荷物の積み替え」や「製造現場での製造ライン内での作業」この辺りの事例が増えています。
サポータータイプよりも値段が張ってしまうため、比較的大きな規模の企業や、特殊な能力を持った人材に対してだけ利用するケースが多くなっています。
デメリットとしては、外骨格アシストスーツを着用すると、自分の体格よりも少し大きくなり、作業スペースが狭い場合や車の運転などを伴う場合に注意が必要な点です。現在では通常の業務に支障をきたさないよう、アシストスーツの上から作業具を取り付けられたり、装着したままフォークリフトの運転ができたりと進化を続けています。しかし、実際の現場を想定して使用可能かどうか、よく検討してから選ばなければいけません。
サポート力や動きの自由度などがちょうどよく両方取り入れられており、「重たいものを扱い比較的同じ作業を繰り返す現場」であるかどうかが重要なポイントとなります。
外骨格アシストスーツ(動力あり)
こちらのタイプは、いわゆる着るロボットと言われる動力付きのアシストスーツです。電気を用いたモーターやセンサーによって、負荷を軽減したりアシスト力を発揮したりします。
こちらは発揮できる力の大きくない方、特に年配の方も重い荷物が持てるようになる優れものです。動作のサポートだけでなく、中腰などの同じ姿勢をずっと保つ補助として使うこともできます。
すでに中腰状態でのピッキング作業に多く用いられており、製造ラインで特に活用事例が増えています。
デメリットとしては、電力を用いるモーターやセンサーを搭載しているため、連続稼働時間に制限があります。つまり一日中装着し続けることはできません。
こちらのタイプは、「同じ姿勢を長時間続ける必要のある仕事や、能力以上の力を発揮する現場」使用されます。
まずは使用場面のイメージから
アシストスーツの3つの種類を知ることができたでしょうか?
まずは、利用したい場面を洗い出してみることから、始めてみることをお勧めします。
その上で、それに適したアシストスーツは3種類のうちどれなのかを定めていきましょう。
価格に関しては、値段だけをみるのではなく、数年単位で受けられるメリットをすべて加味した上で判断することが必要でしょう。
ぜひ最後は、冒頭に紹介したメリットの部分を見直してください。