農業に続々導入されているアシストスーツ | 導入事例や初めての製品の選び方までご紹介

農業用アシストスーツは、農作業中に感じる体の負担を軽減する簡単に装着可能なスーツのことを言います。
近年では、農業従事者の人数の低下や高齢化など様々な要因で、農業界の1人にかかる物理的な負担が多くなりつつあります。これらを課題を解決に導く、アシストスーツの特徴・選び方など、これまで一度もアシストスーツ について考えたことのない人が分かるように解説していきます。

この記事を読むことで、皆さんの「初めてのアシストスーツ選び」を前に進めることができるでしょう。

農業界が感じる課題とは

近年農業へ関わる人口が、減っているというニュースが度々話題に挙っています。
農林水産省の出している統計データを見ても、この推移は一目瞭然ですね。平成27年に比べ、現在(令和4年)の農業従事者全体数は約75%ほどに減少しています。この従事者の総人口が減少していることに加え、農業界は様々な問題を抱えています。

作業年齢の高齢割合の大きさ

農業従事者の高齢人口がとても大きいことは、先ほど紹介した農林水産省のページより一目瞭然でしょう。平均年齢が約70歳、65歳以上の方が85万人を超えています。
さらに農業は収穫や運搬など身体に負担のかかる作業が多いため、怪我をしてしまうことも少なくありません。特に高齢者の方にとっては小さな怪我でも、以降の生活に支障をきたしてしてしまうことさえあります。

負担が大きいという業界イメージ

農業界は自然を利用したビジネスであるため、作業が朝早く始まったり、天候に大きく左右されたりと過酷なイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。特にビジネスとしての儲けがあまり大きくないという事実が存在します。

これは、天候に収穫が左右されてしまうという事実や、収入が入るタイミングまでの準備期間がとても長いということ、農地や工作機械などを必要として事業が急激にスケールしないことが原因として考えられます。

しかし、最近では、個人経営の農家だでなく会社経営として農業を行う組織が次々と経ち上がっています。そういった企業家では、作業者の労働体系を見直しホワイトなイメージをいかに出すのかを考えているところも多いそうです。

作業がもたらす負荷の大きさ

農業分野における「休業4日以上の労働災害発生件数」は令和一年1438件というデータがあります。(農林水産省のデータより)そして、その報告件数は年々増加傾向にあります。
重い荷物の運搬作業や、同一動作の繰り返し、中腰での作業など農業には様々な負荷の大きい場面が考えられます。

課題解決に利用されるアシストスーツ

今まで、農業を取り巻く様々な課題を見てきました。これらの課題のソリューションの一つとなるのが、アシストスーツです。作業者の身体を第一に考えて作られているアシストスーツは、農業で発生する重労働から身体を守るだけではなく、作業効率をアップさせ生産性も向上させます。しかし、多様にあるアシストスーツには作業によって効果を発揮するもの、しないものがあります。次の章では、場面・作業ごとに適切なアシストスーツをどのような観点から選べば良いのかを考察します。

アシストスーツを選ぶ基準とは

ここまで、農業界においてアシストスーツの需要が高まっている背景について、お話をしてきました。
では実際に自分が選ぶときに、どのような点で選んでいけばいいのでしょうか。商品を選ぶ観点や注意すべき点についても触れていきます。

アシストスーツは一日中つけて作業することも可能ですが、特に負担の大きい場面でどれだけ軽減するかが大切になります。そして、アシストスーツにも多くの種類があり、腰や脚など特定の部位に特化したスーツも多いのです。
あなたが使用する場面を想定して、購入を検討しましょう。

ショルダー

肩や肘の負担を軽減するために使用するものです。
場面としては葡萄のように自分が腕を伸ばして、収穫をし続けなければならないような、上向き作業が継続するときが想定されます。上に伸ばした肘を支えるように、アシストすることで肩や腕の悩みが解消されるという仕組みです。

バック

一番需要の高い部位はやはり腰です。
農作業は荷物の運搬や収穫、日々の手入れの際に中腰になることが多いものです。さらに、スイカやメロンのように農作物が重い農家にとっては、収穫物の運搬がとても骨の折れるものになるでしょう。
アシストスーツが背中や胸を支えることで、腰への負担を減らすように設計されているものが多いです。

装着した状態での動作に問題がないか

自分が利用したい場面を考えその場に適した大きさや形、重さをしているのかを注意することが必要です。
特に狭い場所での作業や、作業中に車に乗り移動することを考えている方は要注意です。車に乗るときに装着したまま、運転をすることができるのか。狭い場所での作業で他の人や機械の邪魔をすることがないのか。
ここまで想定して、製品を確認することが必要です。

値段に見合うだけの価値があるのか

アシストスーツ の種類は多岐に渡ります。
動力が電気なのか、バネなのかまたは空気圧なのか。屋外での作業に適しているのか。どれだけのパワーをアシストしてくれるのか。

このように特徴は多くの種類がありますので、当然値段も大きな幅があり、現在出回っているもので約3万円〜約100万のものまで、多岐に渡ります。安いから、といって購入したものが実は全く利用する場所がなく、倉庫で眠ってしまった…ということだけは避けたいですよね。

単に値段の高い低いだけで決めるのではなく、自身の使用したい場面・目的にどれだけ適しているのかで選ぶ方が良いでしょう。

科学的根拠があるか、評判はいいか

科学的根拠と評判で、理論上の数値と実際の体験としてどれだけ負担が軽減されるのか、を確認しましょう。
そもそも理論上ですらアシスト力が小さいものは、現場でそれ以上のアシストをしてくれることはありません。

当たり前のことですが、数値として力が強いのか、そして可能であれば自分で装着をしてみて、どれだけ効果を実感できるのか、この二つをチェックするとこがとても大切です。

まとめ

これまでで、アシストスーツ に対する理解が深まったでしょうか?

とは言っても、「実際に触らないとわからない」「調べたけど結局自分に合う商品がわからない」という方が多いのではないかと思います。イノベーション・マトリックスでは、導入前に現場で体験できる「体験パッケージ」をご用意しています。現場にあった機器の選定から、体験終了後の分析フィードバックサービスで、ぜひあなたの作業にあったアシストスーツを選定してください。

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