視覚障害者が働くAustin Lighthouseの倉庫作業を効率的に稼働させアクセス性向上を図るのためにFetch Roboticsのロボットを使用する方法

Innovation Matrixがパートナーを結ぶFetch Roboticsのロボットが、視覚障害者の働く倉庫現場で効率的に使用されています。Austin LighthouseがFetchロボットを導入に至るにあたった経緯がForbesで紹介されています。視覚障害者が多く働く現場で、最も欠かせないのが”安全性”です。彼らの自動化イノベーションへの取り組みは注目を集めており、アメリカ軍の担当者も視察に来たほどだと言います。以下、記事を日本語訳しました。

元の記事はこちら→https://www.forbes.com/sites/stevenaquino/2021/11/29/exclusive-how-the-austin-lighthouse-for-the-blind-uses-robotics-to-make-warehouse-work-more-efficient-and-more-accessible/?sh=2280d94c4ccb

US Army Major General Darren Werner toured the Lighthouse’s warehouse in April.
 
AUSTIN LIGHTHOUSE (Photo By Forbes)

テキサス州オースティンにあるその名も「Austin Lighthouse」は、ほとんどの灯台で目の不自由な視覚障害者のコミュニティのために努力していることを実行しています。視覚障害者のためのトラヴィス協会としても知られており、オリエンテーションや移動訓練、雇用支援、生活技能訓練など、さまざまなサービスを提供しています。1930年代から運営されているLighthouseは、ウェブサイトでその使命を「技能訓練、教育、雇用機会を通じて、人々の自立を支援する」と説明しています。

国防総省のような軍事組織に物流サービスを提供するのもそのひとつで、Lighthouseはオースティンとその周辺地域にある100万平方フィートの倉庫と流通スペースを管理しています。今年の春、Zebra Technologies 社が夏に買収したFetch Robotics 社とのパートナーシップにより、Lighthouseは倉庫で働く視覚障害者を支援するため、自律走行ロボット(AMR)の導入を開始しました。ロボット技術の活用は、視覚障害者・弱視者の生産性と自立を支援するというLighthouseの使命に忠実であるだけでなく、質の高い物流サポートを提供する非営利団体としての能力を高めるものです。

4台の自律走行ロボット(AMR)が稼働しているこの取り組みにより、Lighthouseの450人の従業員の生産性が2.5倍に向上しました。Fetchのロボットは、視覚障害者や弱視の人がアクセスできないような作業を可能にするのに役立っています。Fetch社のロボットは、倉庫内での作業に必要な時間を短縮し、作業効率の向上は、それを可能にする包括的な支援技術の増加によって、さらに明るいものとなりました。

これは、企業にとっても、そして何よりも従業員にとっても、まさにWin-Winの関係です。

「私たちがロボットに惹かれたのは、すべての従業員が一生懸命働くのではなく、賢く働くことができるようにする方法としてでした。作業のために歩く量を減らすことで、体の消耗を減らし、運動能力の低い人にも仕事の機会を与えることができます。また、より高度な技術を教えることで、Lighthouse以外の場所での仕事にもつなげることができます。ソフトウェアとロボットは、当社の視覚障害者の従業員によって管理、サポートされています。」とAustin Lighthouseのビジネス・イノベーション担当副社長であるAlonso Perales氏は、インタビューに答えています。

Perales氏は、ロボットプログラムのきっかけは、この2年間にあったと話してくれました。2019年、Lighthouseはテイラー近郊にある地域物流支援センターの施設を刷新し、イノベーション作業のショーケースにすることを決めました。この過程で学んだことを、他の契約にも応用することが目的でした。Perales氏によると、ロボット工学の使用は、昨年初めのチームの最初の計画検討時に出てきたものだといいます。Fetch社を採用することになったのは、「” 従業員の半数が視覚障害者である環境で働くために必要なアクセシビリティと安全性を、他のベンダーが満たせなかった “からです。プロジェクトを構築するにあたり、Lighthouseは工業エンジニアや倉庫設計者など、さまざまな専門家に相談しました。皆の努力の結果、” 従業員にとって機能的でアクセスしやすい倉庫とプロセス “になりました。」とPerales氏は言います。

Perales氏によれば、自動化によるイノベーションへのLighthouseの取り組みは、彼らの「先見の明」を示すものだといいます。ロボットの導入は斬新で、4月には陸軍戦車・自動車・軍需司令部(TACOM)のDarren Werner司令官が倉庫施設を訪れ、ロボットの動きを見学したほどです。この訪問については、Lighthouseがプレスリリースで発表し、全米盲人工業会のメンバーも参加しました。Lighthouseの社長兼CEOであるジム・ミーハンは、プレスリリースの中で、「自動化によって、視覚障害者の雇用を拡大することができます。」と述べ、「ロボットや人工知能によって、より効率的に、生産能力を向上させ、商業的に見合う労働環境を確立し、より良いサービスをより競争力のある料金で提供することができます。」と付け加えています。

今後の抱負について、Perales氏はLighthouse の目標を簡潔に語ってくれました。「私たちは、革新的で時代の先端を行く方法を模索し続けます。視覚障害者や弱視の人たちが自立した生活を送れるよう、最高の支援技術でサポートする方法を模索し続けることが、この組織の唯一の目標です。」

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