物流センターを変える柔軟な自動化への道

人手不足や需要の拡大で、さまざまな問題を抱えている物流センターにロボットによる自動化が取り入れられるのはもはや自然なこととなってきました。そして、現在現場では”柔軟な”自動化が求められているといいます。ロジスティクスやサプライチェーンのウェブサイト記事を掲載しているDC VELOCITYの記事に、Innovation Matrixがパートナーを組むZebra Technology のStefan Nusser氏のインタビューが載っています。Fetch の自律走行ロボットを使った、物流センターでのソリューションの一例を紹介しています。以下、該当箇所を日本語訳しました。

元の記事→ https://www.dcvelocity.com/articles/53851-making-way-for-automation?oly_enc_id=5801F0494478I4Z

求めているのはソリューション

フレキシブル・オートメーションは、物流センターにおいても創造的な境界を押し広げています。技術プロバイダーと顧客が協力して、技術、特にロボットの新しくユニークなアプリケーションや「ユースケース」を見つけることができるからです。

「顧客からのフィードバックは、『単にロボットが欲しいのではなく、ソリューションが欲しい』というものです。」と、産業用途の自律走行ロボット(AMR)や協働ロボットを開発するZebra Technologyのロボット・オートメーション担当シニア・ディレクターのStefan Nusser氏は言います。「このようなソリューションは、ますます内部から推進されるようになってきています。現場に行くと、ロボットを使う機会がたくさんあります。そういうことが、ボトムアップで有機的に起こるんです。」と彼は付け加えました。

物流センターで自律走行ロボットを導入した事例

その一例です。Zebra TechnologyのFetch Robotics自律型リサイクル除去ソリューションは、Fetch AMRを採用して物流センターの1つで業務の合理化を図っていたサードパーティーの物流サービス・プロバイダー(3PL)と共同で開発されたものです。(Fetch Roboticsは2021年の買収でゼブラテクノロジーズの傘下に入りました。)3PLは、山積みになった問題を抱えていました。空箱や余分な梱包材は、従業員が安全に物流センター内の別のリサイクルエリアに運ぶよりも早く、通路やピッキングステーションの端に蓄積していました。そこで、従業員と施設内を移動するロボットのために床面積を確保するため、従業員はAMRに箱や梱包材をピックアップし、リサイクルエリアまで運ぶようプログラミングを行いました。

「AMRに対応したカートの上に回収箱を乗せ、物流センター内のいくつかの回収場所に設置し、付属のAMRソフトウェアを使ってロボットに指示を出しています。30分ごとにロボットがカートを回収場所に持っていき、また戻ってくるのです。」とNusser氏は説明します。

AMRのソフトウェアは簡単に設定できるため、従業員は必要に応じて取り出し頻度を変更したり、場所や容器を追加したりすることができます。従来は複数の従業員が一日中リサイクルの撤去作業だけを行う必要がありましたが、現在は自動化されており、従業員はより付加価値の高い業務に専念することができます。

ロボット導入により派生した効果

「ある意味、完璧なソリューションです」とNusser氏は言います。さらに、このプロセスによって創意工夫の門が開かれ、従業員はこの省力化技術を他の業務に応用する方法を考えるようになりました。「AMRを使って何をするかは、この技術をどう生かすかと同じくらい難しい問題なのです。お客様にとって、これはもはや道具箱の中のもう一つのツールなのです」。

シンプルで技術主導のツールは、物流センターの働き方をより良いものに変えました。

ロボットの導入の先に広がる物流センターの変革

同記事によると、ある記事では2026年までにアメリカ大企業の4分の3が倉庫や物流センターの業務に何らかの形で「スマート」ロボットを採用するだろうと予測しているといいます。上記でNusser氏が語ったように、自律走行ロボットの導入は、単に業務を自動化するだけではなく、そこから新たな業務改善の可能性も生まれます。それにより、自律走行ロボットは、ロボットの価値を超え現場での創意工夫のできるツールの一つへと昇華する可能性も含んでいるのです。

Fetch Roboticsのロボットソリューションはこちら