ロボットのリモートエラーリカバリーとは – 完全自動化生産を目指す製造業メーカーが気をつけるべきこと

ロボットのリモート(遠隔)エラーリカバリーとは
– 完全自動化生産を目指す製造業メーカーが気をつけるべきこと
元の記事→https://olisrobotics.com/blog/what-is-remote-error-recovery
世界の製造業は、生産性を向上させ、競争の激しいこの分野で優位に立つために、オートメーションやロボティクスにますます注目しています。
その理由は明白で、無駄の削減、処理能力の向上、複雑な製品の迅速な生産能力など多くのメリットが見込めるからです。しかしこれらはロボティクスやオートメーション・プログラムの成功がもたらすメリットのほんの一例にすぎません。
また、こうしたメリットは、もはや大企業だけのものではなく、より多くの中小企業が自動化を選択するようになっています。
これらのメリットを享受するために、最近オートメーションやロボティクスソリューションを導入を考えていれば、これらのシステムにはこまめなメンテナンスが必要であることを覚えておくことが重要です。
予知保全と清潔で安全な作業環境は、現代の製造戦略において譲れない要素であることは多くのメーカーが理解していますが、稼働時間を維持し、自動化を維持する最善の方法は、作業セルがエラーで停止したときにしっかりと対応することです。
確かに、日勤の時間帯にはこうした問題を解決するためのエンジニアが在籍していることでしょう。
しかし、高度な製造オートメーションで投資収益率(ROI)を確保するための鍵は、完全自動化生産、つまり常に人の監視なしに動作する能力です。そして、それを確実にする唯一の方法は、リモート(遠隔)エラーリカバリーです。
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市場調査会社Fortune Business Insightsの2022年3月のレポートによると、産業オートメーション市場は、2021年の1918億9000万ドルから2022年には2058億6000万ドルに成長するとのことです。この成長は2029年には3,950億ドルに加速し、年平均成長率(CAGR)はなんと9.5%になるといいます。
機能面での進歩は目を見張るものがありますが、オートメーションの成長を本当に後押ししているのは、コストと機能の両面において、技術へのアクセス性が向上したことです。
さらに、協働ロボット(コボット)の開発が進み、プログラミングの容易さ、設置面積の小ささ、安全機能によって、小規模な製造業者にとってオートメーションがより身近なものとなっています。
ユニバーサルロボットは、この市場への最大かつ最初の参入企業であり、現在、数時間のうちに設置、テスト、生産開始が可能なコボットのサードパーティ製品群を有しています。
完全自動化生産は素晴らしい、しかし…
自動化に投資したからといって、強力な競合他社も同じような投資をしている可能性が高いため、自動的に他社に対して優位に立てるわけではないのも確かです。
完全自動化生産は、消灯生産とも呼ばれ、企業が求めている優位性を獲得するための一つの方法です。しかし、どんな新しい技術でもそうですが、これには多くの課題があります。
製造業におけるダウンタイムは、さまざまな原因があります。
工具の破損、溶接消耗品の不足、原材料の問題など、無人の生産環境におけるダウンタイムは、壊滅的な打撃を与えることさえあります。
運が良ければ、注文を満たすのが遅れる程度の結果で済みますが、ミスを見逃すと、シフト全体が破損したり原材料が無駄になったりする可能性もあるのです。
このような事態に対処する一つの方法は、生産現場を監視するチームを常駐させることです。しかし、これにはコストがかかり、熟練労働者の不足ですでに人手不足になっているチームに負担がかかる可能性があります。
ロボットの遠隔監視は、ソリューションの一部でしかない
より高度な対策としては、遠隔監視システムを導入して生産状況を把握し、問題があればすぐに通知することです。現在では、生産ラインやロボットに特化したモニタリングソリューションが数多く存在します。
クラウドベースのものもあれば、ローカルにホストされているものもあります。監視システムの中には、自動化されたセルやプロセスのビデオ録画ができるものもあります。
一例として、Olis Connectは、ウェブブラウザからアクセス可能な、アーム端に取り付けられたカメラ1台と外部に取り付けられたカメラ1台のビデオモニタリングを提供するソリューションです。
これらのカメラを設置することで、ロボットが動作している様子をリアルタイムでビデオフィードで確認できるほか、ワークエンベロープ内のロボットの3Dレンダリングや、現在の状態を説明するロボットのモニターのショットも表示されます。

ビデオモニタリングは、あらゆるエラーの根本原因をフォレンジックに診断し、その再発を防止するために使用することができます。
しかし、モニタリングが機能し、エラーを報告されたらどうすればいいのでしょうか?
遠隔のエラーリカバリーで最大の課題に対応
その答えは、単純なモニタリングだけでなく、ロボット製造ラインへのリモートアクセスやコントロールに注目することです。
リモートエラーリカバリーは、リモートモニタリングとリモートコントロールを組み合わせることで、ロボットが停止したときにアクションを起こし、生産に戻すことができます。
ロボットが部品を溶接している場合でも、製品をピッキング、配置、パレタイズしている場合でも、ロボットにアクセスしてエラーを修正し、生産を再開することは、無人の製造工程を想定している場合、画期的な方法です。
Olis Connect システムは、ユーザーがどこからでもロボットを遠隔操作し、エラー位置から移動させたり、ロボットをジョグさせたり、問題を起こしている部品のグリップを解除したり、あるいはロボットを使って機械から不良部品を取り除いたりすることができます。
これにより、迅速かつ容易に復旧し、製造プロセスを数時間ではなく数分で軌道に乗せることができます。
また、オペレータはロボットのティーチペンダントに保存されているすべての部品プログラムにアクセスし、プログラムを最初からやり直したり、製造している部品の一部にわずかな違いがある場合に別のプログラムに切り替えたりすることができます。
また、産業用ロボットの遠隔操作により、インテグレーターはメーカーのロボットセルをサポートすることができます。
完全自動化生産を最大限に活用する
このようなリモートアクセスやコントロールによって、通常は現場作業員のみが行うサポートやエラー管理による真の完全自動化生産が可能になりました。
“リモートエラーリカバリーとは、ロボットをただ監視するのではなく、ロボットが今何をしているのか、停止しているのを見て、なぜそうなったのかを考えるためにログインするのでもありません。リモートエラーリカバリーとは、ログインしてロボットを素早く作業に戻すことで、ダウンタイムを最小限に抑え、ロボットができるだけ多くの製品を作ることができるようにすることです。”
Olis Roboticsの共同創業者・CEOーFredrik Ryden
Olis Connectのようなツールを使えば、複数のロボットをリモートで監視・修理することができ、ダウンタイムや労働力不足といった大きな問題に対処できるため、1時間以内のセットアップで完全自動化生産を実現することができます。
ユニバーサルロボット・Fanac・ABBのコボットをすでに使用している企業にとって、Olis Connectの設定はさらに簡単です。Olis ConnectはユニバーサルロボットのeシリーズとCB3シリーズのすべてのコボットをサポートしており、ユニバーサルロボットの遠隔監視とエラー回復のための唯一のプラグアンドプレイ製品になっています。