物流の施設では、1日に何百個もの荷物や物品を取り扱うことになります。筋肉や靭帯への長期的な影響は避けられず、その中でも腰痛は最も顕著な身体への負担です。腰痛はいわゆる筋骨格系障害(MSD)の一つであり、物流業界では最も一般的な症状の一つです。持ち上げたり、荷物を扱ったりする作業は、毎日の仕事の大部分を占めており、それゆえ、日常生活の一部となっています。外骨格アシストスーツは、物流業界の従業員を腰痛や靭帯炎症といった骨格筋系障害を緩和するのに役立つソリューションです。

物流分野で活躍する外骨格アシストスーツ
外骨格アシストスーツとは?
外骨格アシストスーツは、身体に装着するサポート機器で、体に負担のかかる活動時に筋骨格系への負荷を緩和するものです。オットーボック社では、背中、肩、首、手首など様々な筋骨格系の歪みに対応する外骨格アシストスーツを取り揃えています。物流業界における高い身体的要求に対応するため、Paexo Back と Paexo Soft Back、そしてPaexo Neck とPaexo Wrist の4つの強力な外骨格アシストスーツに揃えています。
自動化できる範囲とできない範囲とTOP原則
物流業界では、多くの複雑でダイナミックなプロセスが同時に進行するため、人による作業が極めて重要です。これまで、物流における自動化は、標準化されたプロセスに限られていました。人間とそれに伴う肉体労働、筋骨格系への負担は、長期的には物流業界の課題であり続けるでしょう。
自動化の限界とは?
従業員の身体的負担を軽減または完全に取り除くために、組織は労働安全および人間工学の確立された「TOP原則」に従っています。この原則は、従業員への負担を防ぐために企業が導入すべき、技術的(technical)、組織的(organizational)、個人的(personal)な対策の階層を表しています。DGUV(ドイツ社会傷害保険)によると、この3つの対策を組み合わせることが望ましいとされていますが、技術的対策が優先されます。そのため、物流センターやフルフィルメントセンターでは、定置式リフティングクレーンなどの技術的な解決策によって、従業員の作業改善に努めているのです。しかし、導入コストが高いだけでなく、ユーザーからは「遅い」「融通が利かない」という印象を持たれ、導入に踏み切れないこともあるようです。そのため、より柔軟なソリューションが必要とされています。

Paexo Back 外骨格アシストスーツは、国際的な大手物流業者との密接な協力のもと、デュダーシュタットにあるオットーボック・グループの物流センターで開発されました。装具・義肢の分野で100年の経験を持つ開発チームは、肉体労働時の身体的ストレスの問題を熟知しています。特に重視されているのは、作業者の動きの自由度です。
物流業界の課題
物流業界は多くの課題を抱えています。eコマースや、最近ではCOVID19の影響で注文量が急速に増えているため、物流と配送は企業のバリューチェーンにおいて重要な要素となっています。2019年には300万人以上の従業員と約2,790億ユーロの売上があり、ドイツでは国民経済の根幹をなしています。ヨーロッパ全体では、業界団体のBLVによると1兆1200億ユーロ以上と推定され、またグローバル化により世界的な取扱量が増加しています。それに加えて、タイムリーな配送など、消費者からの要求も高まっている一方、熟練労働者の不足と労働力の高齢化も進んでいるのが現状です。BKK2020のレポートによると、この業界の年間病欠日数が25.7日と極めて多いのは、驚くには値しません。なぜなら、これらの損失日数の大部分は筋骨格系障害によるものと容易に分かりますし、高いコストがかかっている事実があります。
外骨格の利用がもたらす効果
- 労働損失日数の削減
- ユーザーに受け入れられないマニピュレーターや他のツールに比べ、柔軟性がある
- より魅力的な雇用者になる
物流における外骨格アシストスーツのアプリケーションの成功要因
商品や小包の倉庫では、従業員の入れ替わりが激しいことがよくあります。正社員と派遣社員が混在し、さまざまな言語で仕事をするため、当社の外骨格が使いやすいことが重要になります。そこで、色やピクトグラムを使い、装着から使用開始までをサポートするユーザビリティコンセプトを開発しました。また、トレーニングや説明用のビデオも用意し、スムーズな導入ができるよう配慮しています。
物流における外骨格アシストスーツの活用シーン
- 製造業、物流業、貿易業の倉庫内での荷物の持ち上げ、持ち運び、積み下ろし
- ラック倉庫、パレット倉庫での手作業
- 荷台でのトラックやコンテナの積み下ろし作業
- オーダーピッキング、保管、取り出しなど

物流業に効果的な外骨格アシストスーツ
Paexo Back
Paexo Back は、高頻度な荷役作業時に背骨にかかる圧力を緩和します。重い荷物を持ち上げるために深く曲げる動作の際、Paexo Back は最大25kgの腰の負担を軽減します。また、屈伸と歩行の区別を独自に行うことができるため、物流センターでの作業において、自由な動きを可能にします。Paexo Back は、荷物のピッキングやリパレタイズといった一般的な作業で使用されます。特に、メッシュパレットを使用した作業では、その効果が発揮されます。さらに、トラックやコンテナの積み下ろしの際にも、Paexo Back 外骨格アシストスーツは定期的に使用されています。

Paexo Soft Back
Paexo Soft Back は、Paexo Back と同様、腰をサポートする製品です。しかし、Paexo Back とは異なり、Soft Back は立ち仕事で、少し腰を曲げるだけで持ち上げられる場合に推奨されます。物流の分野では、オーダーピッキングや軽い荷物の取り扱い、荷物の持ち上げなどに使用されています。


Paexo Wrist
Paexo Wrist は、手首を効果的にサポートし、均一な荷重処理を可能にします。この外骨格サポートは、手首の炎症を防ぐための予防措置をとります。平均6.8kgの重さのウェイトをピッキングするために、物流現場で使用されています。

Paexo Neck
Paexo Neck は、上向き作業の際の首周りや頸椎を和らげます。物流分野では、高さのある棚のある倉庫でのオーダーピッキングに使用されています。個別に調整可能で、フォークリフトの運転を妨げず、簡単に取り外すことができます。


Paexo 体験パッケージ
本格的な導入の前に
まずは製品を試すことから始めましょう。人間工学的アプローチから開発した外骨格アシストスーツを実際に経験し、効果を体感してください。 弊社の担当者がテスト導入をリードし、テスト中には必要なサポートを行います。当社で検証し実証した効果的なステップに沿って、お客様とともに評価テストを実施し、お客様が製品の正当に評価できるよう全力でお手伝いいたします。
Paexo Back または Paexo Shoulde | 2ユーザー |
期間 | 2週間 |
事前ヒアリング 現地訪問トレーニング リモートサポート | ✅ |
コンサルテーションサービス | ✅ |
※購入に至った場合は、体験パッケージ費用の半額をクレジットとして充当。
※レンタル期間の延長に関しては別途相談。
事前ヒアリング
現地訪問トレーニング
リモートサポート
- 導入前に最適な導入現場導入機器を選定
- 現地にてマンツーマンで装着トレーニングを実施
- トライアル中にビデオや電話でサポート
コンサルテーションサービス
- 導入前に最適な導入現場導入機器を選定
- 写真にて毎日正しく装着されているかチェック装着者からのフィードバックを基に1週間ごとの分析レポートを送付