弊社パートナー会社のFetch Robotics メロニーワイズCEOがWEBにてTech記事を掲載している「Protocol」にインタビューを受け掲載されています。現在世界に混乱を起こしているCOVID-19がどのように自動化を加速させていくのか、業種別に考察されています。今回は「物流と製造」の箇所を抜粋して掲載いたします。

Protocolの記事
https://www.protocol.com/automation-boom-caused-by-coronavirus
今回は物流と製造に関する箇所を抜粋して和訳して掲載。

COVID-19による自動化の加速

−パンデミックは数百万人の仕事を奪い、その中のいくつかの仕事はロボットに与えられるであろう−
コロナウイルスのパンデミックにより、世界は未知の領域へと押し込まれた。一部の業界において、この状況は自動化ブームへと導いている。

先週、米国では660万人以上が失業申告をした。 専門家は1,000万人が失業していると推定している。 すでに、自動化は一部のギャップを埋めている。 しかし、この熱りが冷める頃、ロボットがそれらの仕事を永久に代替しているのか? 答えは複雑で業界によって異なるが、1つ明確なことがある。すでに地平線上にあった自動化のトレンドは、より早く進むという事だ。

「危機はある種の触媒になることもあれば、変化を加速させることもある。加速剤の働きをするのがほとんどだ。」とデジタル技術が社会をどのように変化させるかを研究しているニューヨーク大学スターン・ビジネススクールのアルン・スンダラジャン教授は述べる。 彼は、パンデミック終息後には、新しい技術パラダイムが出現すると信じている。

この危機は自動化への移行を加速させるだけではない。専門家によれば、危機はその変化を後押しする投資も加速させるだろう。 ブルッキングズ研究所で自動化を研究している上級研究員で政策担当ディレクターのマーク・ムーロ氏は、Protocolに対して、「導入技術が高価であり、企業は危機の中で設備投資をすることを躊躇するだろうから、自動化は遅れるかもしれないという一般的な見方がある」との見解を示した。 しかし、それは間違っている。 「過去10年間の経済文献は、これらの投資が特に危機の間に行われたことを証明している。」

Protocolは、自動化の最も需要のある5つの異なる業界のリーダー達と対談し、コロナウイルスの危機は既に根本的にすべてを変えつつあることを発見した。

(以下、物流と製造セクションからの抜粋、小売業、ヘルスケアと配達はここでは省略。)

物流と製造

最終的には、この危機がサプライチェーンの自動化への投資を促進することになると、専門家は同意している。 しかし、その中には危機の中では実現できないものもある。「長期的には未来は明るくなったが、短期的には課題だ。」と語るのは、全国のマイクロフィルメントセンターでの回収ロボットの普及を目指すサプライチェーン自動化スタートアップ、AttaboticsのCEO兼CTO、スコット・グラベル氏だ。 これらの課題には、対面ではなくバーチャルで製品のデモンストレーションをしなければならないことや、顧客や投資家の財務不安を解消することを待つことが含まれる。

「ベンチャーキャピタルとの話し合いは、現在、枯渇して静かになっている。それが問題の1つだ。誰もがそれを素晴らしいアイデアだと思っている – 将来的にはだが。」「今、投資家達の間では少し麻痺が生じている。」とスコット氏は言う。

物流会社Soft Roboticsの創設者であるカール・ヴォーズ氏も同様の経験をしている。 「誰もがバランスシート(貸借対照表)の保護モードにある。」「このコロナウイルス問題が、これほど深刻に進むとは誰も思っていなかったと思う。」とカール氏は語る。

ワークフローの大部分が既にバーチャル化されていた企業は、新規顧客の獲得が容易になっている。サプライチェーン・オートメーションの新興企業であるFetch Robotics社は、倉庫向けに自律走行ロボット(AMR)を展開している。同社はクライアントをバーチャルにオンボーディングし、AMRを出荷した後、それをSkype経由でセットアップしている。 Fetchの今月の問い合わせは、2月に比べ約63%増加した。

「私たちが顧客から聞いていることは、自動化の予算を除いて、多くの予算が凍結されているということだ。」とCEOのメロニー・ワイズ氏と述べている。 「私たちは新しい顧客からたくさんの問い合わせを受けている。例えば、”ロボットを使うことで、人間はどのようにして社会的な距離を保ちながら製造を続けることができるか?” という問いに対して、人が倉庫施設を横切って別のワークステーションにカートを押す代わりに、ロボットに仕事を任せることにより、潜在的に潜む人が交差通行して汚染される危険を回避できる。」とメロニー氏は答える。またCOVID-19の安全制限または病気による従業員の不足からの救われた、という連絡が同社にあったとの事だ。

Attabotic社の場合にも利点があったようだ。同社は最近、全く新しい種類の小売業者から問い合わせを受けている。例えば、レンガとモルタルの店舗ではなく、ネットワークテレビのショッピングチャンネルからの問い合わせが入っているのだ。

そして、いまや膨大な数の消費者が食料品購入をオンライン注文に依存し、新しいeコマースプラットフォームに移行したことを考えると、おそらくこの消費者行動は恒久的なシフトとなるだろう。

「この危機の影響の1つは、グローバルサプライチェーンのリスクの顕在化だ。」「“この種の”混乱が発生した場合、リスクとコストの計算は、今後大きく異なるものになるだろう。それは、パンデミックの可能性が低いというリスクだけでなく、『企業が国境を越えた商品の流れを大幅に遮断した場合、それが自分のビジネスにどのような影響を与えるのか?』という問いだ。」とスンダララジャン氏は語っている。

ヴォーズ氏は、コロナウイルスが世界中で製品の製造と出荷の方法に実在的な変化をもたらし、プロセスが自国に近づくと予想しているが、それは自動化の向上によってのみ可能になる。

「これは9.11後の銀行システムに起こった事と同じようなものだ。彼らのITシステムは、そのような混乱に備えていなかった。貨幣の移動方法も、そのような混乱への準備ができていなかった。そしてそれら企業は、不測の事態に備えた計画を策定することに力を注いだ。」「サプライチェーンの専門家たちがこの危機から脱出すると同じようなことが起こると思う。」とヴォーズ氏は語る。

運用に自動化を加えることにより、混乱への耐性を高めるだけでなく、コストを削減することもできると、世界最大のデジタル変革会社の1つであるWipro Digitalのグローバルヘッドであるラジャン・コーリ氏は指摘する。同氏によると、同社の顧客は、その後の景気後退により、ソフトウェアの自動化を利用してコストを削減する必要があることを認識していると述べている。

「彼らは、ITの運用モデルをどのように変更するかを根本的に見ている。そこに、大規模な自動化が期待される」 「5~10%の節約といえば、いろいろな方法があるが、40~50%の削減を望むのであれば、本当にプロセスを再考する必要がある。」とコーリ氏は言う。

Wiproには7,500人の従業員がボット(基本的には労働者が「高次」のタスクを完了する事を可能にするソフトウェアの一部)であることを強調し、 コーリ氏は、インドのモディ首相が国内の封鎖を発令した後、Wiproのオフィスで働いているのは彼らだけだと冗談交じりに語った。

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