
2022年のロボット業界のトレンド 7選
2022年もだんだんと年末が近づきつつありますが、今年のロボット業界は何が注目されているのでしょうか。今年4月に掲載された Robotics & Automation News で取り上げられたロボット業界のトレンドは、2022年以降のロボット拡大・動向に大きく繋がっています。驚くような社会情勢の変化もある中で、ロボットをどう活用し来たる未来に備えるべきか。現在のロボット業界トレンドをぜひチェックしてください。
以下、記事を日本語訳しました。
元の記事→ https://roboticsandautomationnews.com/2022/04/11/7-robotics-trends-to-watch-for-in-2022/50233/
コロナのパンデミックによって、2020年には300万台以上の産業用ロボットが稼働し、世界では約10%以上稼働数が多くなっています。
また、サービスロボットに関しては12%ほどマーケットが大きくなり、67億ドルの市場規模になっています。
未だコロナのパンデミックが続いていることや、ウクライナの戦争を考慮に入れ、これからのトレンドを予想しなければなりません。
2022年の大きなトレンドを7つ紹介します。
1, 投資家はロボット産業に今まで以上に投資をすることになるでしょう
ここ数年はコロナのパンデミックにより、労働不足やサプライチェーンに注目が集まるようになりました。
このような世の中の需要を満たすため、VCや投資家の目がロボット業界に向いています。
”global industrial robotics market”によると、2020年は146億ドルの市場規模で、2028年には311億ドルにまで到達すると予測されています。
2, ロボットの操作が簡単であることが重要事項である
2022年に入り、コロナのパンデミックが落ち着く(または共生していく)と予想されるため、産業の生産量が復活すると予想されます。
そこで大切になるのが、「従業員がどれだけ効率よく最新の技術を学ぶことができるのか」というところです。
この傾向が世界的に出てきているため、プログラミンがシンプルにできることやUIがシンプルであるのか、このようなことに注目が集まっています。
特にロボット業界に関しても同じ傾向があるため、低価格のロボットが主流になることが予想されます。
3, AMR(自律走行ロボット)によるデータ収集が続く
2020年から2021年にかけて、ECの売上は14.2%増加しました。また、パンデミック前から自動化が進み、人手不足が叫ばれる中、今後、AMRの利用率は飛躍的に上昇することが予想されます。そして、2021年から2028年まで、年間23.7パーセントの成長率が予測されています。
AMRが普及したことで、Eコマースとロボティクスの両世界が、データ収集という共通の目標に向かって協力することが期待されます。今後、IoT技術がAMRと統合され、AMRの売上を向上させ、さらにAMRの市場の価値を高めるようにデータ活用がされることを期待しています。
4, ロボティクス・ネットワークセキュリティへの注目が向上
IoTやロボティクスが一般人や商業・産業分野で利用されるようになってから、セキュリティは最重要課題となっています。
ウクライナ戦争中、ロシアはウクライナの銀行システム、通信、政府のウェブサイトへの攻撃を繰り返し、また、原子力発電所への攻撃もありました。
産業用ロボットがハッキングされた場合、物的損害や原子力災害などの最悪のシナリオを引き起こすことも想定されます。このような脅威を前に、政府や企業は、これまでの責任の取り方で、これから起こるリスクに適切に対処できるのか疑問を抱いています。
一般ユーザーも例外ではなくハッキングの危険にさらされています。個人情報を保護する方法の一つに、サイバー犯罪者から機密データを隠してくれるSurfsharkのようなVPNをダウンロードすることも考えられるでしょう。
5, コボットなど多目的ロボットの活用拡大
アマゾンは、フルフィルメントチームと連携する多目的ロボット(コボットとして知られる)をいち早く採用した企業の1つです。2017年の導入以来、同社は倉庫の生産性を20%向上させ、投資額に対し見合った節約を実現しました。
全米小売業協会では、2022年の売上高が6~8%伸びると予想しており、ロボットの利用が増える可能性があります。
同時に、アマゾン、BMW、フォードなど、すでにロボティクスを社員のために活用している大企業に続いて、他の企業もロボットの採用が続くでしょう。
6, ロボットの相互運用性が求められる
人間はまだロボットとの協働を達成できてはいませんが、2022年はロボットの相互運用性に注目がされるでしょう。
開発企業は、同一の開発者からコードを調達することはほとんど出来ないため、多くの産業で、異なるロボットを連携させることが難しく問題視されています。これは世界中の倉庫、工場、物流センターにおける問題であり、これを解決することに多くの人が注力しています。
ロボット産業は、オープンコードアーキテクチャを拡大し、標準設定の利用を促進しようとしています。世界共通の車両管理システムの必要性は明らかであり、昨年秋に導入されたMassRobotics Mobile Robot Interoperability Standardはその良いスタートとなるものです。
7, デリバリーロボットのブームが来る
Polaris Market Researchの最近のプレスリリースによると、自律型配送ロボット市場は、2021年の2億ドルから2029年には20億ドル以上に達するといいます。
ロボットが家の玄関先まで荷物を届けるという考え方は、コロナのパンデミック以前は非現実的なものに思えました。しかし、平常に戻った今もこのアイデアは実現され続けています。
同時に、小売業者、配送業者、食品・飲料業界は、ラストワンマイルの配送コストを削減することを目指しています。アマゾンが自律型配送ロボット「Scout」を見習い、配送ロボットのブームが来ることを期待しています。
8, ロボット業界が大きく成長し続けるでしょう
これらのトレンドは、2022年にロボット産業に期待されることのほんの一例です。大規模な成長と投資が続くこの業界では、何が起こるか誰にも予想ができません。
しかし、今後10年間でロボット工学への投資が活発化し、標準化された業界コードが作られ、相互運用性が高まり続けることは確実でしょう。