
ピークシーズンの需要に対応するための倉庫自動化の導入
eコマースは、私たちの消費行動にますます浸透し年々拡大しています。倉庫では細分されたアイテムを、迅速に選び梱包し配送しなければいけません。それは、どんなに需要が増えるピークシーズンでも消費者から求められます。消費者からのニーズ、そして作業者を過酷な単純作業から解放できるのは、倉庫の自動化に他なりません。現在の倉庫が抱える問題、そして自動化で変化する倉庫の姿について inVia Robotics の記事を日本語化しました。
Covid-19の大流行により、eコマースに対する顧客の需要は、すでに見ていたものよりもさらに大きくなりました。ほんの数年前、eコマースが未知の領域だった頃を思い出すと、おかしな話です。消費者である私たちは、今日の倉庫作業員のような役割を担っていたのです。店舗に行き、必要な商品を棚から選び、自宅に持ち帰っていました。しかし現在では、携帯電話を開いて、小売業者のウェブサイトやアプリから商品を選ぶだけです。そのため、物流業者や小売ブランドは、インフラを整備し、倉庫の棚から商品をピックアップする作業員を雇用し、オーダーフルフィルメントのニーズに対応することに躍起になっています。
年間を通したピークシーズンのプレッシャー
注文を満たし、消費者を満足させ続けるための労働力を見つけることは常に課題ですが、以前は1年のうち3カ月に集中していました。従来の小売業でいうところのピークシーズンは、通常10月から12月の年末商戦と考えられています。この時期は、eコマースの注文量が他の時期の3倍、4倍になることがよくあります。
しかし、バレンタインデー、ハロウィーン、新学期などの祝日や購買期は、オンラインショッピングの手軽さと利便性によって、ショッピングのピークを迎えています。また、小売業者は、ホリデーシーズン以外の時期に購買を促進するために、販促スケジュールを微調整しています。
この傾向は、ここ 2 年で勢いを増しています。オンライン消費の増加とサプライチェーンの不足により、消費者はホリデーギフトの購入を早めに開始するようになり、ホリデーショッピングシーズンがこれまでよりも長くなりました。
2021 年には、多くの小売業者が 9 月初旬からクリスマス・プロモーションを開始し、配送や労働力不足による影響をより多くの月間に分散させることに成功しました。eコマースの流入は、返品シーズンの延長にも拍車をかけました。
その結果、ピークシーズンのプレッシャーや要求は、今や年間を通しての現象となっており、倉庫は物流のボトルネックや従業員の負担、人手不足を回避するために、生産性を高めるためのソリューションを探すことを余儀なくされています。その結果、多くの小売業者にとって顧客維持がますます困難になってきており、”どうすれば顧客の期待に応えられるか?”という疑問が持たれています。
このような問題を解決するために、業界では自動化が進んでいます。しかし、これは人に取って代わるものではないことを明確にしておきましょう。
倉庫の自動化を導入して遅れを取り戻そう
ロボットが人間の労働者に取って代わるというのは、最も大きな誤解の一つです。実は、ロボットは人間の労働者を助けるために存在するのです。現状では、倉庫の従業員は1日のうち最大で50%を商品の回収のために移動に費やしています。これには、通路を歩いたり、注文に応じるために棚から在庫を取り出したりすることも含まれます。このような過度な手作業は、多くの従業員に足や膝の怪我を負わせることになり、率直に言って、燃え尽きる速度が速くなってしまいます。
ロボットは、従業員が歩いたり、手を伸ばしたり、重いものを持ち上げたりする作業のほとんどを自律的に行い、生産性を5~10倍高め、精度を維持することで、これらの問題を軽減することができます。ロボットは機械的な精度で動作し、人工知能ソフトウェアでプログラムされているため、指定されたアイテムだけを正しい場所に正しい数だけピッキングします。ピッキングのような作業には、気が散ったり休んだりすることなく繰り返し作業ができるロボットが理想的です。
また、ロボットに暗記作業や地道な作業を任せる一方で、人間は意思決定や問題解決能力が必要な高次の作業に時間を割くことができます。長期的には、自動化によって、倉庫作業員は1つのステーションやゾーン以上のものを管理できるようになるでしょう。これは、先ほど説明した、eコマースにおける顧客の需要の高まりと、迅速なターンアラウンドの必要性をサポートするものです。
eコマースの未来は常に進化し、年間を通じてピークシーズンが新たな変化をもたらす一方で、私たちは消費者のニーズを満たすためにテクノロジーに頼ることができるようになりつつあります。
「もしも普段から準備が出来ていれば、準備をする必要はない」ということわざがありますが、これは今日のeコマース・フルフィルメント業務にとって、これ以上ないほど適切な言葉です。サプライチェーンプロセスに影響を与える、自分ではコントロールできない状況(天候、海外での紛争、労働力不足、燃料費の上昇など)は常に存在しますが、拡張性のある自動化ソリューションを導入していれば、常に適応するための準備が整います。
組織は、年間を通じてピークに対応し、需要が鈍化したときにはコスト効率よくスケールダウンできる柔軟な倉庫自動化システムを導入する必要があります。これを効果的に行う唯一の方法は、生産性目標に基づきインセンティブが付与される自動化パートナーを選択することです。そうすることで、効果的な支出を行い、効率性を高め、市場の変化に常に対応できるようになります。