【物流倉庫における自動化の決め手】自社倉庫に導入すべきロボットを選ぶ観点とは

倉庫に適応できるテクノロジーは、より良く、より速く、より強く、そしてよりスマートになりつつあります。しかし、労働力不足により多くの倉庫業者が人手不足に陥っているため、人の作業をサポートするだけでなく、その作業の一部を自ら行うテクノロジーが必要とされています。

ゼブラテクノロジーズ(NASDAQ: ZBRA)のロボット・オートメーション担当副社長兼ゼネラル・マネージャー、ジム・ロートン氏は Modern Shipper に次のように語っています。「多くの企業がロボットとオートメーション技術に投資しなければならないことをすでに知っています。しかし、彼らは”どのように始めればいいのか?””どうすれば失敗しないか?”という疑問があり、決断をできずにいます。」

Modern Shipper は、倉庫オペレータが新しいロボットを選ぶ際に、気にすべき観点、気にしなくてよい観点を交えて説明しています。

企業は形状よりも機能を優先すべき

倉庫の作業には、ピースピッキングのように、ロボットよりも人間の方が効率的な作業も多くあります。しかし、ピッキングの分野でも、ロボットを正しく導入することで、より効率的に作業を行うことができます。

例えば、かさばるものや重いものを扱うケースピッキングやケース収納では、パレタイザーやデパレタイザーを使用することで、ケースをパレットに載せたり、パレットから外したりすることが可能になります。ロボットパレタイザーは、人が運ぶことが困難なもの、あるいは危険なものを扱うことができます。

また、ロボットがピッカーを誘導する場合もあります。eコマースの注文をピッキングする際、倉庫作業員はLEDライトやその他のインジケータを使って何をピッキングすべきかを教えてくれるロボットによる自動仕分けシステムや持ち運び可能なデバイス機器に助けられることもあります。

さらに、Target 社のように、複数の異なるシナリオでピッキングを行うことができるロボットもあります。

「Target は配送センターや倉庫から店舗に商品を補充していますが、同時に、eコマースの注文にも対応しています」とロートン氏は言います。

しかし、ロートン氏によれば、機能は倉庫業者がどのロボットソリューションを導入するかを選択する際に、考慮しなければならない多くの事項の一つに過ぎないといいます。

倉庫内の環境や配置をよく観察する

物流ロボット導入を検討する際に、設置環境も同様に重要な要素になります。数百万平方メートルの巨大な施設もあれば、店舗の奥にある一室を占めるだけのこともあります。お分かりのとおり、1台のロボットで両方の場合に対応できるわけではありません。

例えば、店舗内のスペースがあまりない場所に自律走行型ロボット(AMR)を配置することは、あまり意味がありません。同様に、巨大な物流センターを1台か2台のAMRでカバーするのも、特に効率的とは言えません。

小規模なフルフィルメントセンターや店舗の裏側では、倉庫のオペレーターは、作業員がピッキングするために商品を仕分ける固定式のロボット自動仕分けシステムを使用するかもしれません。ロートン氏によると、作業者の歩く時間が仕事時間のの60%に達するような大きなスペースでは、作業者がピッキングにより集中できるように、資材を搬送できるロボットにもっと投資してもよいといいます。

施設のレイアウトも重要です。注文量や商品カテゴリが一定であるような施設では、AIやセンサーを使ったナビゲーションではなく、決められた経路を走行する無人搬送車(AGV)で十分な場合があります。例えば、ロートン氏は、従来のベルトコンベアを誘導型ロボットに置き換えている倉庫事業者を挙げました。

ロートン氏は、AMRと対比して、「もし、ロボットが毎回同じ場所に行くような、かなり構造化され、明確に定義されたものがあれば、無人搬送車(AGV)はかなりうまく機能します」と述べました。

「AMRには、マッピング機能、ナビゲーション機能、検出機能があります。その結果、変化の多い環境では、より柔軟に対応できるのです。

しかし、大切な設置環境は施設の大きさや形だけではありません。それは、どのような活動や業務が行われるかということでもあるのです。」

例えば、自動仕分け・検索システム(ASRS)は、一般的に個人向け商品「Goods to Person」モデルに適しているとは言えません。

ASRSは、大量の在庫を移動させる必要があるが、スペースに限りがあるという施設に適しているかもしれません。これらのシステムは通常、人が入れないような狭い間隔の棚を水平方向や垂直方向にシャトル移動することができ、オペレーターは保管密度を高めることができます。

一方、ピッカーに商品を届けることを前提とした「Goods to Person」モデルは、ピッカーを倉庫の一角に留めることができるAMRを活用することができるでしょう。

「20人、30人、40人のピッカーがいて、ある程度の規模の倉庫で、ある程度の注文量がある場合、ゾーンベースのピッキングに移行することをお勧めします」とロートン氏はアドバイスしています。

同時に、ピッカーが商品のところまで移動する必要がある従来のピッキング方法である「Person to Goods」モデルは、ロボット化には全く適していないかもしれません。

自社倉庫でのロボット運用イメージを持つ

ロートン氏とバークシャー・グレイ社の最高製品責任者兼モバイルロボット担当ゼネラルマネージャーであるソルア氏は、実際にロボットを導入する前に、ロボットが施設に適応できるのかを知るための方法いくつか教えてくれました。

「例えば、あなたの会社やサードパーティロジスティクスとよく似た倉庫での、導入事例や実際に稼働している動画を確認できれば、ロボットを同じ方法で使えるでしょう」と彼は言います。

ロートン氏は、いくつかの施設を持っている企業に関しては、まずは1つの施設を自動化することから始め、それを試験的に利用することを提案しています。しかし、より明確なイメージを得る方法もあるようです。

ゼブラの社内には、模擬倉庫があり、仮にロボットを導入した際にメリットが上回るのかを検討できる機能があります。この収支を計算する仮想モデルは、同業種で他の企業を参考に組み立てられています。

施設内の状況をリアルにシミュレーションする機能のことを、ソルア氏はデジタルツインニングと呼んでいます。既存の設備やシステムからデータを収集し、建物の形状や大きさ、表面に付着しているホコリの種類まで、すべてを考慮して現実の倉庫のデジタルツインを構築できるソフトウエアがあります。

少しの自動化が業務の効率化をもたらす

以上のように、倉庫内で稼働させるロボットを選ぶ基準は多く存在します。

そこで、デジタルツインのようなシミュレーションは、ロボットが新たな効率化をもたらす可能性のある場所を確認したい倉庫事業者にとって、有用なツールとなります。もちろん、ロボットがどこにでも導入できると考えるべきではありません。しかし、倉庫内での仕事量は増加し、倉庫のスタッフは減少しているため、少しの自動化であっても、全体の効率を考えれば大きな効果を発揮します。

「ロボットを用いた自動化は、倉庫内のニーズの一部、または工場や製造環境内のニーズの一部に対応するものです。なぜなら、すべてを自動化しなくても、十分な価値を得ることができるからです」

弊社では倉庫内で活躍する、様々なロボットを取り扱っております。

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